愛おしいってさ、

「存在が愛おしい」

「好き」以外に彼は、私への気持ちをよくそう表現してくれた。
恥ずかしくて、「なんそれ」なんていつも笑っていたけど、嬉しかったな。

嘘だったなんて思ってない。
その後の、私に向けてくれる表情も、頭を撫でる手も、包み込んでくれるハグも、本当だったって私にはちゃんとわかってるよ。

私もそうだったよ。
伝わってると思って、一度もそう返せなかったけど、誰よりも愛おしいと思ってた。言っておけばよかったな。

「存在が愛おしい」は、もしかすると「人として好き」とニアリーイコールなのかもしれない。
でも、それは愛ってことなんじゃないのかな?愛なんて語れるほどよくわからないけどさ。

また、体調を崩してしまった。

今は私自身が爆弾みたいなもので、自分の取り扱いがよくわからない。

「その2人は幸せにならない」占いでも断言されたし、多くの人がそう言ってくれた。
だとしたらやっぱり、なんで?って、思っちゃう。いつもそこに巻き戻る。

幸せになって欲しいんだよ。

最悪それがもう私とじゃなくていいから、その人とじゃないって気づいてよ。
私の勝手なエゴだとしても、あなたにだけは幸せになって欲しいんだよ。


「彼女を選ぶ方がリスクだってわかってる。でも追いかけたい気持ちがあって」
「うん、そういう方が好きなんだよ」
「…結局不適合者なんだろうね」

ううん、私の方がよっぽど不適合者なんだと思う。
女は追わせた方が幸せになるんだったら、あなたは正しいし、その子の勝ちだもの。

「なんで負けたんだろう」
「…勝ち負けじゃないと思うよ」
「勝ち負けだよ。私は負けたんだよ」

追いかける女は、報われないって方程式がたぶんこの世にはあるんだろう。

藤井風の武道館ライブのDVDが届いた。
彼の手元にも届いているであろうそれを、母(藤井風の大ファン)と観た。

流れている間、彼の隣でリアルタイムで観たあの時の感情をいろんな場面で思い出した。
もちろん何度観ても素晴らしいけど、初めてのあの感動は絶対に超えない。彼だってたぶんそうだ。

失って初めて気がつくなんて
そんなダサいこと もうしたないのよ Goodbye
Oh Don’t you ever say ByeBye
Eh

「この時に戻りたいな」と、私は思う。運命が決まっているのなら、戻ったところで変えられないのかもしれないけれど。
それでも、彼が他の人と何度この映像を観たところで、思い出すのは初めて観たあの時のことだと思う。

わたしの最後はあなたがいい
あなたとこのままおサラバするより
死ぬのがいいわ
死ぬのがいいわ

あの時とは違う感情で、その歌を聴く。


特典映像の中で、藤井風が皇居外苑を走っていた。
映っている景色は、2人で最後にデートした場所そのもので、私は思わず笑う。

このDVDは意図せずタイムカプセル化している。
そう思うと少しだけ気分が晴れた。

「ねぇ、観た?これタイムリーすぎない?」と本人に話しかけたい。
まぁ…煽りに近いけど(笑)